ヤクザと執事と私【短編】『遥か遠くのロシアにて-嵐を呼ぶ男達-』
「よろしいですね。」
龍一を見るディーラー。
「いつでもどうぞ。」
不敵にも笑顔で答える龍一。
龍一の言葉を受けて、ゆっくりとカードをめくるディーラー。
そして、再び、大歓声。
「おい、どうなったんだよ?」
龍一に尋ねる真木ヒナタ。
龍一は、長い黒髪をゆっくりとかきあげながら、真木ヒナタを見て言った。
「・・・負けちゃいました。」
「・・・・・・・・・・えぇぇぇぇぇぇぇ!」
VIPルームに真木ヒナタの声がこだました。