ヤクザと執事と私【短編】『遥か遠くのロシアにて-嵐を呼ぶ男達-』
「でも、どうするんだよ?日本ではどうか知らないけど、ここじゃ、こんな格好した俺達に服売ってはくれないぞ?ブランドショップにはブランドショップのプライドがあるからな。」
「・・・それは、困りましたね。」
真木ヒナタと龍一は、困った顔を見合わせる。
「おいおい、お前ら、そんなこともわからないのか?まぁ~大船に乗ったつもりで俺に任せとけ!」
自信満々の大和が、2人の肩を叩き、その後で店員の元に行く。
「おい、あいつ、大丈夫なのか?」
真木ヒナタは、心配そうな顔で龍一を見る。
「・・・そうですね。大和があんな顔をするときは、大体が、泥船なんですが・・・」
龍一も心配そうにしている。
大和は、何度か持っていたバックを見せて店員と話している。
そして、店員は、ショップの入り口のドアを閉め、ウィンドウのカーテンまで下ろして3人に言った。
「どうぞ、ごゆっくりとお買い物をお楽しみください。」
店員は貸切状態にしたのだった。