ヤクザと執事と私【短編】『遥か遠くのロシアにて-嵐を呼ぶ男達-』
その時、前を歩いていた女性の前にいきなり4台のバイクが止まった。
女性の叫び声が、少し後ろを歩いていた3人に届く。
「いきますよ?」
龍一が、2人に合図をする。
しかし、すでにその時、龍一の横には、真木ヒナタひとりしかいなかった。
龍一が前を見るといつの間にか、大和は、女性と4人のバイクに乗った男達の間に入り、「ちょっとマテェ~!」と叫んでいる。
女性は、咄嗟に大和の背中に体を押し付けて隠れている。
その感触に大和の表情が、にやける。