ヤクザと執事と私【短編】『遥か遠くのロシアにて-嵐を呼ぶ男達-』
「大和・・・顔が崩れてますよ。」
龍一が、大和の隣に駆けつけ、忠告する。
「・・・元からこんな顔だろ?」
真木ヒナタが、冷ややかな目で大和を見る。
「何を!ヒナタ、お前からやってけてやろうか?」
大和が真木ヒナタの売り言葉に買い言葉で応戦する。
「痛~!」
大和と真木ヒナタが同時に叫びながら、頭をさする。
「2人とも、目的が違いますよ。そんなに私を怒らせたいのですか?」
龍一が、低く響く声で2人にささやく。
「・・・・ごめんなさい。」
大和は素直に謝る。
龍一と大和、真木ヒナタの前には、バイクを降りた屈強なロシア人が立っている。
「それでは、アルバイトの開始です。」
龍一の言葉で4人のロシア人との乱闘が始まった。