ヤクザと執事と私【短編】『遥か遠くのロシアにて-嵐を呼ぶ男達-』
乱闘は、3分も経たずに終了した。
倒れているのは、当然、ロシア人、4人。
それどころか、龍一、大和、真木ヒナタに触れた者さえいなかった。
「ありがとうございます。」
乱闘が終わり、助けた女性が、龍一に駆け寄り抱擁する。
「・・・おかしいな?」
「ん?どうしたんだ、大和。」
真木ヒナタが、頭をひねっている大和を見る。
「いや、確か、最初に女性を助けに入ったのは俺だったはずだけど、なんで龍一が抱擁されてんの?」
「・・・がんばれよ。」
真木ヒナタがしみじみと大和の肩と叩く。
「ん?・・・・なんで俺、慰められてんの?」
大和は、さらに悩んでいた。