ヤクザと執事と私【短編】『遥か遠くのロシアにて-嵐を呼ぶ男達-』

「・・・犬かな?」


「そうですね。ゴールデンレトリバーほど頭は良くないですけど、似たような大型犬ですかね。」


「・・・なぜか、納得。」


真木ヒナタと龍一は、大和に聞こえないところで好き勝手なことを言い合う。


「見てくれよ、龍一。これ、俺にピッタリだと思わない?」


大和がうれしそうに一着のスーツを持ってくる。


「そうですね。・・・でも、あっちのスーツも似合いそうですよ?」


龍一は、別の方向にあるスーツを指差す。


「え、本当?」


大和はすぐに龍一が指差したスーツへと向う。

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