いばらみち
奈津もその可能性が否定できなくて、相談してきたらしい。

「いままで毎月生理がくるのは決まってた?生理が来なくなってどれくらい?」

「だいたい決まってたよ。2か月くらい来てない。」

だんだん自分の考えがまとまらなくなっていくのがわかる。

「ゴム、コンドームは!?ちゃんと着けてた!?」

「・・・わかんない。ちゃんと確認してなかったから・・・、着けてないかも…」



頭が、一瞬真っ白になった。

" 着 ケ テ ナ イ "

その言葉が意味するのは、かなりの確実で妊娠しているかもしてないと言うこと。



「とりあえず、彼氏に相談してみた方がいいよ。あと、一応検査した方がいいと思う。」

「・・・うん。わかった・・」

私より、奈津の方が何倍も悩んでるんだ。
きっと私に相談するのにもかなり勇気が要ったことだと思う。
でも、これだけははっきりさせとかないといけない。

少しでも奈津の力になりたい。
自分が取り乱したらダメだ。

そう思えば落ち着くことができた。
でも今度は怒りが私を襲った。
奈津にも怒りを覚えたけど、それより奈津の彼氏に比べ物にならないくらい怒りを覚えた。

奈津の彼氏は社会人だと言う話を聞いていた。

「(もし、本当に奈津が妊娠していたら、絶対許さない)」

顔も見たことがない相手を本気で憎いと思った。

その後、奈津は真美たちに生理が遅れていることだけ相談していた。

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