いばらみち

中学の友達はみんな、他の学校にいってしまい、同じクラスの子で1人になってる子いたら、―絶対声掛けて友達に――、なんてことを考えながら探していた。

『は、ま、や…‥、よ・・・あ、あった!!2組か。てか、教室どこ?』

クラスと靴箱は判ったけど、教室の場所がわからない。
一人彷徨きキョロキョロするのが恥ずかしくて、とりあえず、人が流れる方へと向かった。


「(1年の教室は5階みたい・・・。きっつー)」

流れは5階で終わっていた。
途中の階で曲がる生徒がいなかったから、間違いないはず。



5階に着いたら、廊下は人でいっぱいになっていた。
何故か教室に入ってる人は少ない。

「(・・・なんで?中入れよ、オイ)」

そんなことを思いながら、人の間をすり抜け、なんとか2組の教室前までたどり着いた。
教室の入り口で他の教室と同様に人が固まって話していた。

「(入れない・・・入っても席わからんけど。)」

式まではまだ時間がたっぷりとある。


「(・・・・・・暇だな。)」



独りの寂しさ、つまらなさ。
“独りのほうが楽”なんて思える人の気が知れない。

ふと隣を見たら同じく一人ぼっち(っぽそう)な女の子発見。
友達になろうと、元々あまりないちっぽけな勇気を振り絞って──

「(・・・頑張れ、自分!!最初が肝心!)」

────自分にそう言い聞かす。
< 2 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop