いばらみち
「ね、ねぇ。初めまして。吉沢って言います。」
同い年なのに初対面だと敬語になってしまう。
・・・私がヘタレだからか。
「・・・初めまして。福山です。」
「福山さんって何中?」
「大川(おおがわ)中です。ひとりだよ・・・?」
なんとなーく、相手は警戒してるのでは?と、空気が読めてきた。
「(私、オワッタな・・・・・でも、当たって砕けろだっ!!!)」
「わ、私、坂山中!私も一人なんだ。良かったら友達になって!!」
―――沈黙
「(嫌がられてる?!どうなの?長く感じるのは気のせい?!)」
「あ、うん、いいよ。よろしくね!」
内心、冷や汗ダラダラで心臓バクバクだったため、一気にいつもの体温に戻っていくのを感じる。
そして――
「(やったぁ!!でかしたっ)」
――自分で褒め称える。
痛いなんて言われても、今だけは大丈夫な気がした。