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靴を脱ごうとした時だった…
「……お帰り、ソラ…」
父がパジャマ姿でリビングの戸を開けて出てきた。
思わず靴を脱ぐ手が止まったが、すぐにまた靴に手を掛けた。
「…ただいま……父さん起きてたんだ…」
「……まぁな…。お前にしちゃ手こずっているそうだな…」
父が鼻で笑いながら言った。
「…警部から聞いたの?」
「……あぁそうだ。私にも協力を依頼してきたよ。」
父は自分のことを遠まわしにバカにしているのか分からないが、父の顔はいつにも増して険しい顔をしていた。
「………父さんが考えている程今回は簡単ではないよ…。」
「…だろうな…。私も話を聞いた限りだが…何のことかさっぱりだ…」
リビングに行くと、テーブルの上に警部から聞いたことをメモしたノートとそのそばに缶ビールが置かれていた。
「……父さん…行き詰まるとビールを飲む癖…よくないよ。」
サラッと言われて総介は頭を掻いた。