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「…半年記念日ん時はそう言って忘れたんだから…!」
ぷいっとそっぽを向くと詩織の黒い髪がきれいになびいた。
「……ごめんごめん!今回は絶対に忘れないから…!」
半年記念日の時にソラは、大海水族館でデートの約束を忘れ、いつも通り事務所にこもっていた。
「…絶対だよ!今度こそ大海水族館に9時だからね!」
念をおすように何度もソラに言った。
「……はいはい、分かったよ。」
いつもの交差点で分かれるとソラは事務所に向かう。
ふう……
今日も鳴らない電話がソラを待っていた………
トゥルルルル…!!
「……来た!!」
手に持っていたカバンを放り投げ、急いで電話に飛びかかる。
「………はい……じゃあ捜しておきますんで……」
「…お願いねぇ…白地に黒い斑がかかった猫(コ)なの…!」
「……分かりました…では失礼致します…」
肩を落としながら近所に住む沢畑婦人の家を後にした…