FAKE LOVE
「なぁにーエミちゃん、また真司さん?もぉ顧客なワケ?」

倖介の腕が肩にかかって、倖介がもたれてくる。
うざったい。
倖介の髪についたさっきの『由美』のあまったるい香水の匂いがやけにイラつく。

「女の股触ってた手でさわんないでよ。」

倖介の腕を払うと、倖介はワザとらしく顔を歪めてそれから浴室にいなくなった。

倖介は、風俗店への『流し』を手伝う仕事をしている。
なにがきっかけかはさておき、風俗にまで墜ちる事になった女の子達の仕込みを行う。
どうすれば男が喜ぶのかのHOW.TOを一番最初に倖介が女の子達に教える。
風俗の基礎を。

さっきの『由美』さんも倖介のお客さん。
もとい生徒?
笑っちゃうけど。
『由美』さんは絶対に20は越えてる。

倖介は…

永岡 倖介は

『16歳』だ。



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