探偵学園Q
「…七海先生知ってるっぽかったね。御催眠について」




―…ドクン

胸が大きく音をたてて鳴った。



「………」




団先生はどこまで冥王星のことを知っているんだろうか?

もう僕の素性のことに気づいているのか?


…それに…ユイのことも。





ガタッ


「団先生!」

「七海から忠告を受けた。そろそろみんなにもすべてを話すべきだとね」




もう僕も潮時なのかもしれない。





「君たちに明かそう。


我が宿敵冥王星の正体と彼らとの戦いの歴史を…」





僕の直感がそう言った。



――――――――――
―――――――



「ごめんなさい

 ごめんなさい…っ

 ごめんなさい……」




天草家の一番奥にある鍵付きの部屋。

そこに“私”がいることは一部の人間しか知らない。

幼い頃からのあたしの城。




「…またですか?クス」

「………」




あの日、あたしは元の小屋に戻ることを選んだ。

すべてを投げ出してでもリュウを冥王星から守ることがいまあたしができる唯一の罪滅ぼしだから……




「Qクラスのみんなに会いたいですか?」




ケルベロスの問いに、あたしは静かに首を横に振った。

会いたくないって言ったら嘘になる。
でも会うわけにはいかない。
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