探偵学園Q
あらゆる方法を使っても、山内優衣の情報を得ることはできなかった。

得ることはできない、というよりもまるでそんな人物は存在しないとでもいいたいかのように何もかもがわからなかった。



「じゃあ、何で…」



そんなはずはない。

どこかに必ずあるはずなんだ。



「くっそ…っ」


「七海くん」

「あ…だ、団先生!」

「何かあったのか?そんなに眉間に皺を寄せて」

「い、いえいえ。何もありませんよ。団先生こそどうしたんですか?;」



突然背後から現れた団先生に必死に平静を装う。

まさかいきなり現れるとは…



「いや、ちょっと聞きたいことがあってな」

「…聞きたい…こと?」



「山内優衣はQクラスで上手くやっているのか?」

「……!!」



山内の名前に反射的に団先生の顔をバッと見ると、団先生は少し悲しそうに微笑みながらこっちを見ていた。

なんでそんな表情…。



「だ、団先生……っ!!」

「…ん?」

「山内は…っ…



……っ…仲良くやってると思います」



ー団先生と何か関係があるんですか?…、と聞こうとしたのに団先生の悲しそうな表情を見ると何も言えなかった。



団先生はそれから「そうか」とだけ呟くと読み取れない深刻そうな表情で部屋を出て行った。



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