探偵学園Q
南と山内が何かを話している…―?



「─………てんの!」



くそっ。
ここからだとバカ騒ぎをしてるキュウと遠山のせいで肝心の山内の表情が見えねえ。



「……ユイ、何か悩みがあるなら言ってね。相談のるから」



そう言うと南の眼が少し涙をためて揺れる。




「…うん。いつか話すから」

「………」

「…ごめんね」



話が終わったのか南は「またね」と言って部屋を出て行った。

そしてそれを追ってキュウと遠山も部屋を出て行く。


途端に静かになる部屋。



「…………」



山内は黙りこくったままドアを見つめていた。

いや、そう見えていた。



「……七海先生。隠れたって無駄ですよ」



ギクッと冷や汗が垂れる。



「あ、バレてた?」



声が裏が選りそうになるのを必死に抑えて平静を装うが、山内はそんな俺にふり返り不敵な笑みを浮かべていた。

おい待て。
初対面のときとキャラちがくねえか?



「丸わかり。ってゆうか出口一つだけなんだからわからないわけないじゃん」

「たしかに言われてみれば」

「…ばか」



あの時の瞳とはまた違う。

暗くて深い背筋が凍りそうになる眼。…でも、どこか憂いを秘めていて。


何も掴めない。



「お前捜査しに行かなくていいのか?」



このままじゃ山内について調べるはずが何もわからないままになってしまう。

そんな気持ちが俺を焦らす。



「寝不足だから」

「寝不足?」

「一昨日まで徹夜してたの」

「なんで?」



あ…。

しまった、と思ったときには時すでに遅しでこれじゃまるで聞き込みしてるみたいだった。



「プライベート。尋問禁止」



いや、落ち着け七海。



「尋問って;おい俺がお前を探ってるみたいじゃねーか」



ただの14歳の子供にこんな些細なことで気づかれるわけがない。



「勘弁してくれよー」



気づくわけが

「そうじゃないの?」
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