探偵学園Q
ブツ…
 ツーツーツー…

電話のイヤホンの先から聞こえる機械的な音が空に吸い込まれて消えていく。
力の入らない腕はかろうじて携帯を持っている、という感じで、ぶらんと宙を揺れていた。



「……団…先生っ」



あなたが恐れていた予想が的中してしまった。

柄にもなく鼻の奥がツンと痛む。



「…なん…で」



何で俺は止めなかったんだろう。

指導者の立場として何が何でもとめなきゃいけなかったのに。

でも止めるなんてできなかった。あいつの話を聞いていくうちに相槌すらうてなくなって、ただ呆然と電話先から聞こえてくる声を聞いてることしかできなくなっていた。



―『意外にいい先生だったよ』―



「……ばか…やろ」



お前は最後まで自分勝手で、Qクラスの奴らからも逃げて、残された俺たちの気持ちも考えないで、本当に悪い生徒だったよ…


でも、その頃俺は知らなかった。

裏でこんな出来事が起きているとは、思ってもいなかった。











「……はあ」
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