探偵学園Q

「ならなぜ娘の名で発表しなかった?」



ハッと気がつくと周りの状況はいつのまにか進んでいた。





「あんたは悪魔に魂を売り渡したんだよ!」



ドクン…

リュウのことばにあたしの体が震える。

売り渡した…?


なにあたしが動揺してるの?

あたしは売り渡してなんかない。
あたしは違う。
あの女達とは違うの…



“わたしの家においで?”

“ユイちゃん!遊ぼ?”

“覚えててよ”



““飼い猫なんだから””



「ひっ……」



急にガタガタと体が震えはじめる。

あたしの様子に気づいたキンタがあたしの肩に触ろうとしたけど、いまのあたしはそれさえも恐くて自分をコントロールできない。



「いや…ッ!!!」



キンタの手を払い除けると、あたしはその場にしゃがみこんだ。


恐い…

恐い…!






そのときパトカーが到着し、先生は警察の人に捕まった。

でも、いまのあたしにはそんなのことよりも頭の中を駆け巡る悪魔の囁きがこびりついて離れなかった。



「ユイ…!しっかりして!?」

「メ…グ」



メグの手に掴まろうとしたそのとき、


ドンッ


「どうした!?」



鈍い音といっしょに、ピチャと嫌な音が聞こえた。

あたし達がパトカーに駆け寄ると、そこには頭をピストルで撃ちぬいた先生の姿があった。


真っ赤な鮮血…


みんな何も言えずにそれから目を逸らした。



ねえ…
なんで逸らすの?

真っ赤な血があたしにはとても




「………綺麗」




に見えるの。

それはすばらしい芸術作品のように…


あたし…
おかしいのかな…?





飼い猫は血を好む。

自ら血を流す。


それが猫の生きがい。
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