探偵学園Q
「おはよー…って何してるの」



なんかこの部屋…
もはや探偵部屋じゃないんじゃない?



「あ、ユイおはよー♪ねっ見て見て!可愛いっしょ」



あたしが部屋の散乱具合に状況がつかめないでいると、メグがふりふりのメイド服を持ってとことこやってきた。

まさかそれ…



「これあたしのバイト先の制服なんだ~♪」



……ですよねー。
焦る焦る;

私服で着るとか言いだすのかと思った。



「可愛くない?ユイも着てみる?」



いや…。
絶対に勘弁…;



「あ、あたしは遠慮しとくよ;」




あたしが少しひき気味に断ると、メグは残念そうに「そっかあ…」と言って服をたたみはじめた。

え…なに?
そのメイド服はあたし用に用意してたの?
着せる気満々じゃん…;



「ってかユイ大丈夫か?」

「え?」

「このあいだパニック起こしたからよ」

「え、あ…ああ」



キンタがいうこのあいだっていうのはおそらく、あの駐車場でのこと。



「ぜんぜん大丈夫だよ」



あたしはにっこり笑いながら答えた。
本当は大丈夫じゃないくせに。

“あんたは悪魔に魂を売り渡したんだよ!”

本当はあの言葉も、死体を見て心が安らいだのも、もう何がなんだかわからなくて夜も催眠なしじゃ寝れなくなってる…。



「それにお前はじめて会ったときよりテンション低いぞ」



……それも催眠のおかげであんなにテンション高かっただけ…なんだけどな。



「そ、そうかな?あの時は初めてだったからテンションあがっちゃっただけで;あたし素はあんま騒がないんだよね…;」



あたしがそう言うと、キンタは「そうか?」と納得したらしく、金田一は俺のバイブルだのなんのってカズマ達と騒いでいた。

キンタが単細胞なやつでよかった…;
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