探偵学園Q
「…はあ……」




今日こなければよかった。

ここにくるのは正直つらい。


催眠がかかってたときは、ただ友達ができたことが嬉しくて、ずっとここにいたいって思ってたけど…

催眠が解けて、あたしの本当のDDSにはいった目的を思い出して、今じゃ友達はあたしのなかでの足枷。


逃げ出したいよ…




「ねえユイ…」

「え?リュ……」




リュウと言おうとして、ハッとケルベロスの声を思い出す。

“身分を考えろ”

そうだ。
あたしは飼い猫。
リュウとは身分が違うんだから。



「…ッ…なに?」

「前にさ。ビルで密室トリック調べてて、誰かに僕が薬かがされたことあっただろ?

あのあと…何かあった?」

「え?」



これってケルベロスのことだよね?

リュウはあたしがケルベロスのこと知ってる…なんて知らないわけだし。



「わ、わかんないんだよね。あたし気づいたら家で寝てたから」

「……そっか」




リュウは一度あたしの顔を見ると、なにもなかったように読みかけの本を読み始めた。

ちょっと…心配してくれたのかな?




「みんなたくましいな」

「きゃあっ!」
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