探偵学園Q
「この部屋だ!」

「こ、ここ?」



あたし達がとまったのはある部屋の前。



「リュウ!鍵がかかってる」



なんだろう…
なんだか胸騒ぎする。

嫌な予感とかじゃなくて…


ガチャ



「ユイびびってんの?」



リュウの次に入ろうとしたあたしがドアの前で立ち止まっていると、後ろからカズマにからかわれた。

でもなぜか足が動かない。
この先のことになぜか、わくわくしていた。



「…ユイ?」



―ドキ…


「え?あ…」



リュウの声にハッと前を向くと、リュウが怪訝そうにあたしを見ていた。



「ごめん;ボーッとしてた」



へらへらと笑ってそれとなくごまかす。



刺さるようなリュウの視線に痛みとドキドキを感じる。

今日のあたしはリュウが絡むとどこかおかしい。
顔が真っ赤になっていくのが自分でもわかった。




「ほ、ほら、大丈夫だから早く進んで…よ……え?」



しかし、次の瞬間にすぐ、ドキドキという感情は消え去った。



「それ…死体?」

「「「「!」」」」



視界に飛び込んできたのは、頸動脈を刺されて死んでいる男の姿。

真っ赤な鮮血に、先生が自殺したときと同じ感情がうかびあがる。



「キュウ…この人昼間の塾長」



隣でメグ達が喋っている内容もなにも耳に入らない。

血がきれい。

血が欲しい。

うかびあがるのはそれだけで自然と口角があがる。
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