探偵学園Q
「ははーん。カズマ恋してるんだ?」

「え?」



図星だったのかカズマが少しムキになりながら、違うと真っ赤になった。

別に隠すことじゃないと思うけど。



「誰かは聞かないであげるけど、告んないの?」

「ば、ばか//んなこと」

「少しでも可能性があるなら気持ち伝えるべきだと思うよ」

「え…?」




あたしはたぶん伝えても実らない恋だから。

冷静に考えたらケルベロス達が許すわけがない。


リュウが
あたしがリュウの嫌いな冥王星の手先だって知って、
好きになってくれるわけがない。




「…ユイ」

「……」


「似合わないね」




………は?



「金髪にピアスに恋とか語られてもね」



はっと鼻で笑うカズマに腹が煮えくりそうなほどの怒りを覚える。

お前を励まそうと思って……



「……。まあ頑張ってみようって気にはなったけど」

「え?ほんとに?!」

「……。やっぱ嘘」

「なにそれー」

「てかさ、じゃあユイは恋してんの?」

「え?」

「そんだけ語るってことはしてるんでしょ?」

「え……あ、ああ。



どーでしょーねー」

「……?」




僕はこのとき、微かに見せたユイの哀しそうな顔。

独り言で言っていた“メイオウセイ”“パパ”のことを気にするべきだったんだ。


ごめんね。
仲間だったのに。

後悔しても遅いけど…
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