探偵学園Q
「今回の事件をつくったのがあなただと知ったら…みんなあなたを見限るでしょうね」

「…わかってます」

「あら、ならいいんですけど」




ユリエさんはクスッと笑うと、夜の闇に消えて行った。

頬をつたう涙が地面に落ちる。


あたしは何がしたかったんだろう。

なんで自らの首を自ら絞めてしまうんだろう。




「バカだあたし…」




あのとき、ケルベロスに『殺人計画書をつくってみろ』って言われて、最初はもちろん断った。

あたしはこのままみんなの仲間として生きていこうって決めてたから。


でも、それに対するケルベロスの言葉は残酷で




『じゃああなたの好きなQクラスがどうなってもよろしいんですか?』




卑怯すぎる答えに、あたしは作ると言わざるをえなかった。

もう…あたしの手は汚すぎる。



それでもQクラスに依存してしまうんだ。

いつかあたしは、
みんなを汚してしまうんじゃないかって恐いよ。




「………っ」



ザッ


「ユイ?」

「!」
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