探偵学園Q
「あ、ねえ…キュウは?」




鬼ごっこに混じっているかと思えば、どこにも姿が見当たらない。



「あー…キュウならあそこにいるよ」




メグはカズマににやにやしながら、テーブルを指差した。

あたしの位置からだとキュウの背中しか見えないけど、どこか真剣なオーラを発している。





「キュウ…?」

「あ、ユイ」

「……どうしたの?なんか悩み事あるみたい」




考えてることはわかる。

リュウのことでしょ…?


あたし聞いちゃったんだ。

落合が捕まった日。


“変な男の人に言われたんだけど。天草流の正体を知ってるかって…”



自分からは詮索しないって言ってたけど気にしてるんでしょ?




「…羨ましいな」

「ん?何が?」


「……そんなに心配してくれる仲間がいて」




もし、あたしが同じようになったときみんなあたしを心配してくれる?




「ユイのときだってもちろん心配するよ?だって仲間じゃん!」




にっこり笑うキュウに、あたしは苦笑しかできなかった。

でも、あたしの正体を知ったら…


あたしを見限るよ。




「……ありがと」




わかってたことだから。


わかっててあたしは
仲間でいたいと願ったんだ。

わかっててあたしは
闇のもっと深くに足を踏み入れたんだ。




「時間が止まっちゃえばいいのに…」

「ん?なんかいま言った?」


「ううん」




そうすれば


あたしは幸せ……





~To Be Continue~
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