探偵学園Q
「ねえ探偵って楽しい?」

「え…?」




楽しくないの?と聞こうとして、少し口をつぐんだ。




「謎って解く必要ないんじゃないかな…」




解かないほうがみんなが幸せでいれる謎だってあるんだよ…、と彼女は言うと少し微笑む。

解かないほうが幸せな謎……?




「……僕にはわからないな」

「ふふっ…言うと思った」




風が強くふく。

きれいにゆれる金髪が、僕の心に穴を開けた。




「カズマはデジタルな人間だから」

「デジタルって関係ある?」

「…アナログのほうが頭柔らかい気がする」

「ふーん」




少しデジタルを馬鹿にされた気がしてムスッとしていると、彼女はそれに気づいたのかいつもの明るい表情で笑った。

恋とはちょっと違うこの感情。






「あれから遥子さんとはどう?」

「……結婚したっぽいよ。もしかしてフラれたことわかって言ってる?」

「まさか。そんな人のこと性悪女みたいな言い方しないでよ;」




絶対に確信犯のくせに…。




「そっちはどうなんだよ」

「え?」




とぼけたってわかってるから。




「リュウのこと」

「!」




みるみる真っ赤になっていく彼女の表情にやっぱ女の子なんだな…って感じて。




「…どうなんだろうね」

「なにが」

「もっと深いところがわかっちゃったらそんなの無くなるよ」


「は…?」





―ドキ…

背筋が凍った。


彼女の見せた表情が、あまりにも冷たかったから。






「ずっと仲間だよね」

「え?あ、…ああ」





「ならいいの」






弱々しく笑う彼女に胸が締め付けられた。

このキモチはなんだろう…


恋とか愛とかじゃなく


しいて言うならそれは





家族愛に似ていたのかもしれない…






~To Be Continue~
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