探偵学園Q
“それ”は金髪の猫。

人工的な金色の髪が闇に染まった瞳には妙に不釣り合いで、私の心をくすぐる。




「あたしが…Qクラスに?なぜですか?」


「んふ。ハデス様の命令です。リュウ様の監視をと…」




素直に“わかりました”と返事をする猫がなんだかいじめたくなる。




「Qクラスに編入する際、今までの記憶を一掃するようにとのことです」




何を言っても素直に従うところが猫というよりも人形に近い。

ずっと私の所有物なんだと実感する瞬間。
心は今までにないくらい至福の気持ちでいっぱいへとかわる。


この猫の運命は私ひとつで自由自在で動かせるのではないか。


ならばこのとっておきの人形を手放すわけにはいかない。

醜い感情が心を蝕んでいく。




「リュウ様に恋心を抱いてしまったからですか?」





でも本当はわかってましたよ。

あなたがいずれ冥王星から抜けたいと願いだすこと。

リュウ様に恋心を抱くこと。



二人は似ている。

それはいずれお互いがお互いなしではいられなくなるくらいに共存する未来がくるであろうこと。




「あたしのことあんた達が監視してたの?!」




ええ。
そのとおりですよ。

わかっていても私は自分の所有物を手放す気はない。



永遠に檻の中で


生きていけばいい。





だから私は

あなたのそんな力強い瞳なんて見たくない。




~To Be Continue~
< 86 / 195 >

この作品をシェア

pagetop