探偵学園Q
「ケ…ルベロス?」




そんな眼初めて見た。
寂しそうな眼…するんだね。




「あ、あの

「早くQクラスのほうに行かなくていいんですか?んふ」

「……え?」




あれ?
さっきのケルベロスの表情は見間違い?

瞬きをすると、あたしの瞳にはいつものケルベロスが写っていた。




「早く行かないとリュウ様の監視ができませんよ?」

「………あの電話のことは…」

「また今度話しましょう」




ケルベロスはそう言って笑うと、暗い夜道へと消えた。

なんだったんだ…?



頭のなかに?マークばかりが残るけど、いまはメグの叫び声のほうが気になる。

あたしは急いで女子寮に向かって走った。





バンッ


「メグ!さっきの叫び声ってなん………え?」




メグ達の姿が見えた部屋に入ると、あたし以外のコレクターの捜査メンバーが集まっていた。

一人横たわっているものをのぞいて……




「…ユイ」




信じられない。




「麻耶…」




死んだように横たわって…いや、死んでいる彼女に触れると氷のように冷たかった。


“あたし達ライバルだね!”


知っている人が死ぬってことはいつもよりもつらかった。

元気に動いていたときを知っているからこそ…
信じられない。
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