探偵学園Q

「リュウ!ど…したの?」




上手く喋れない。
空気とことばが一緒にでてきて、まともに顔すら見れなかった。

あれはあたしにリュウとの引き替え条件を後押しするためだけじゃない。


警告だ。




「なんか…顔色わるいぞ?」




身分を考えろ……ね。


最近は忘れがちだったこのことを。

リュウと同じ位置に立っていられるだなんて思ってしまっていたことを。

ハデス様への恩返しを忘れていたことをまた……



あたしは嫌ってくらいに、思い出される。





「気にしないで。大丈夫だから」




あたしはそれだけ言うと逃げるようにリュウの手をはらった。

いつまでも同じところでぐるぐる回り続ける悪循環はいつ終わる?

なかなか進まない環境に自分でイライラしながら、中庭へと足をすすめた。






「優衣さん?」

「!…っ」





嫌な声に悪寒が走る。

この人といい、ケルベロスといい…なぜそこまであたしに関わる必要があるのか。

ハデス様のお気に入りというだけでここまで……




「ユ…リエさん…」

「さっきあの人からメールにはりつけてあった写真…上手く撮れていたかしら…?」


「ひっ…」





元凶は何?

一般論からはこの人達。



でも違うんだね。


元凶はあたしがリュウに恋をしたことだ……。





~To Be Continue~
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