探偵学園Q
「リュウ!ど…したの?」

「なんか…顔色悪いぞ?」




無理しているように見えたユイの頬に触れようとした瞬間、その手を払いユイはどこかへと走って行った。

気にしないで…か。


ユイにはらわれた手をジッと見つめると、大きなため息が漏れる。




「近づいたと思ったのにな……」




踏み込めたようで踏み込めないユイの領域。

僕が一番入ってるって思ってたのは、ただの思い過しだったのか…?







「犯人は亀田くんを二度殺したんだ」

「え?」

「亀田くんを殴ったガラス瓶。あれは偽物だったんだ」

「どういうこと?」

「ほら。よくアクション映画とかで頭にガラス瓶を叩きつけて気絶させるシーンがあるじゃん。
あれに使用されるガラス瓶はアメガラスっていって実はガラスよりずっと脆い素材でできた偽物なんだ」




犯人の目星もつき、亀田殺しのトリックもキュウが暴いて、捜査が終わりに近づいてもユイは戻ってこなかった。

トイレなんて嘘だってことはとっくにわかってる。


何かあったとしか考えられない。




「…ウ!リュウ!」
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