探偵学園Q
体育倉庫を出て外に出ると、空はもう夕方で、ユイがコレクターに殴られて倒れていたときと同じ空だった。

心の大半を不安が占めて、普段の僕が消えかかる。




「…どこだよ」




時計台の下で大きく深呼吸をして耳を澄ます。


どこからかユイの声が聞こえたら……




「―――…!」




その瞬間、強く吹いた風といっしょにわずかにユイの声が聞こえた気がした。

いや。
いまのは…気のせいなんかじゃない。





「風向きから考えて……中庭か…?」




―…ドクン

―…ドクン



なぜか心臓がやけに大きく波を打つ。

この感じは何だ…?



嫌な予感がする。

なぜか全身が中庭に向かうことを拒否していた。




「……………」




―…ドクン

―…ドクン




「…んな汚らわしいことよく口にできたものですね」




中庭に近づくにつれて段々と声がはっきりと聞き取れるようになる。

誰か他にも…いる…




―…ドクン

―…ドクン


足を進めなきゃ…





「あたしは……っ





そして僕はユイの声が聞こえた瞬間に、体中をめぐる拒否信号をふりきって中庭への角をまがった。

それが僕らの分かれ道だと知らずに…






「ユイ!




 …………え?」






僕は後になってこの時のことを死ぬほど後悔したんだ。

この角を曲がらなければ、裏のことを何も知らないで自分のことだけ悩んでいれたのに……。



目の前のことが信じれなくて…信じたくなくて…





「な…んでユイとケルベロス達が…いっしょにいるんだ…?」







君を突き放したんだ……







~To Be Continue~
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