恋、涙 …
第6章
恥 side nozomi
先生の過去…
そんな辛いものをずっと背負っていたなんて、私は想像すらしていなかった。
「だから…人は信じないとか言ったんですね?」
『信じたら負け』
先生の言葉の中に、確かこんなものがあった。
「あぁ…けど、一回許そうとした。あの後、葉月に泣いて謝られて…あれは恭平に無理矢理されたって言葉、信じようとしたんだ─」
でも、先生はまた葉月さんが恭平さんと2人でいる所を見てしまったらしい。
それで…
もう人は信じない。
こんなに傷付くなら、もう本気で恋はしないと心に決めた…と。
「なのに…あれから7年経って、今更都合良くやり直したいなんて言って…」
話を聞いて、私の中では、葉月さんは最低な人間になっていた。
先生も人の気持ちを持て遊ぶようなことはしたみたいだけど、それ以前に葉月さんが許せなかった。
「先生…」
「…ごめんな。」