恋、涙 …
信じたい。
先生はまだ…
前を向いて歩けると。
「軽蔑…しないのか?」
私はもう片方の手を伸ばし、ジャージの袖口で先生の涙を拭いた。
「…軽蔑って?」
「俺のこと…俺は、お前が思うような人間じゃない。だから…」
「軽蔑なんてしません。先生は…いい人ですよ。」
私にとっては…
先生は自分で最低だって言ってるけど─
「それに…私のこと、信じてくれたから…」
「……………」
やっぱり…
気持ちは変わらない。
私は先生の側にいたいし、笑顔を見せて欲しい。
けど…
今は言わない方がいい。
私はそう判断した。
「篠原…」
「はい…?」
「………手。」
先生に言われて、私は今自分が何をやっているかを冷静に考える時間を得た。
そして…
「あっ…ごめんなさい!!」