恋、涙 …



不思議と安心した…



今まですごく怖かったのに、先生が手を繋いで歩いてくれるだけで、こんなにも違うんだ─






部室に着くと…
当然誰もいなかった。



悠哉…
待っててくれてたかな?



後で謝らないと…



「えっ…と、」



置いていた荷物を持ち、これで全部だったかなと思って辺りを見渡していると…



「…持ってやるよ。」



急に肩が軽くなり、私は咄嗟に後ろを振り向いた。



そこには先生がいて、私の肩にかけていたはずの鞄を手にしていた。



「もうこれで全部か?」



「はい!あっ…制服忘れてた。えっと…先生、これ着替えないとダメですか?」



いつもなら、ジャージやユニフォームのまま下校してはいけないという決まりがある。



守らないとダメかな…?



「いいんじゃねぇの?俺は別に気にしないし…」



よかった…
着替えるの面倒だし。



「次、職員室な。」









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