恋、涙 …
「希と中津くんって、結構お似合いだと思うけどなぁ…」
まだブツブツ独り言を言っている佳奈を見て、私はため息をついた。
「あのね…佳奈。私、悠哉とは付き合わないから。」
「じゃあ、希の好きな人教えてよ!中津くん以外なんでしょ?」
だから…無理だって。
ここで先生の名前を出したら、大変なことになるし。
ごめんね…佳奈。
「…篠原。」
佳奈に申し訳ないな…と思っていると、後ろからいきなり声がした。
振り返ると…
「うわぁ!先生!!」
そこには杉田先生がいて、大声を出した私を見て、目を丸くしていた。
「そんな驚かなくても…ちょっといいか?」
さっき会ったばかりで、もう2限目まで会えないかなと思ってたのに…
「今日放課後。部活行く前に、社会科準備室来て。」
それだけ伝えて、先生はまた廊下を歩いて行った。
え…
今日、放課後、準備室?
これって…呼び出し!?