恋、涙 …
うぅ…緊張する─
放課後。
社会科準備室の前。
先生…中にいるのかな?
私は深呼吸をして、準備室のドアをノックした。
「…はい?」
中から声がした。
低くてよく通る声…
「先生、あの……!!」
ドアを開けて中に入った私は、言葉を失った。
だって…
「なんだ…篠原か。」
そこには杉田先生がいる。
けど…
いつもの先生じゃない。
今回は性格の問題ではなく、先生の外見…
先生は、黒縁のメガネをかけていたんだ─
「…ん?なに?」
「先生…そのメガネ、」
「これ?あぁ…変か?」
私が指摘すると、先生はすぐにメガネを外した。
「先生って、視力悪い人だったんですか?」
「まぁな。けど、いつもはコンタクトしてる。」
そうなんだ…
「メガネ…いいと思いますよ?」