恋、涙 …
私がそう言うと、先生は無言で外したメガネをもう一度かけた。
さっき、私がいいって言ったからかな…?
でも、初めて見た先生のメガネ姿は正直格好良かった。
うん…素敵だよ。
よく似合ってると思う。
私はしばらくドアの側で立ったまま、先生を見つめ続けていた。
「あのさ…」
そんな状態を続けていると、先生が口を開いた。
「そんなに珍しい?」
昨日から、先生は何かが変わったように感じる。
疑問形で何かを聞かれることも、初めて話した時からは想像もつかない。
後は…
先生に笑って欲しいな─
「あ…はい!先生って、メガネよく似合いますね♪」
ずっとこのままでもいけないし、私は側にあったパイプ椅子を持って行き、先生の隣に座った。
「そ…そう、か…」
「私はメガネとは縁ないなぁ…私、視力だけが自慢なんですよ。」