恋、涙 …
そう思いながら、俺はあの日の自分を思い出した。
冷たい言葉と視線。
そして、偽りの笑顔…
なんか今思えば、そんな自分は変に見えてくる。
これは、自分が変わったからなのだろうか…
「すごい嬉しいです。先生が、私と同じように思ってくれてたなんて…」
「あ、うん…」
本当に気付いたのは、つい最近なんだけどな─
「先生…大好き!!」
なんて考えていると、突然篠原が抱き付いてきた。
「ちょっ…篠原、」
「ん〜、煙草の匂いがする…」
あぁ…
さっき吸ったからか─
じゃなくて、この状況はどうしたらいいんだ?
「先生…」
「…ん?」
「私は…ずっと先生の側にいます。」
「……………」
意外にも大胆な篠原に圧倒されながらも、俺は小さく頷いた。
そしてその日から…
俺と篠原は、教師と生徒という関係を壊した。