恋、涙 …
「8月…何日ですか?」
「え…15日だけど。」
俺が答えると、篠原は突然鞄をあさり、中から可愛い手帳を取り出した。
「8月15日…っと♪」
「…………」
見ると、来年の8月15日の欄に綺麗な字で『先生の誕生日』と書かれていた。
「私、来年はちゃんとお祝いしますから。」
「あぁ…ありがと。」
じゃあ、俺もちゃんと篠原の誕生日を祝わないとな…
まぁ、当たり前だけど─
「そうだ!先生、イヴは絶対予定空けて下さいね?」
「…うん。」
予定なんて初めからない。
あるとしても、どうせ仕事ぐらいだろう。
「やったぁ♪でも…本当に大丈夫なんですか?」
「大丈夫だろ。多分…」
俺が抜けても、先生なんて他にもいっぱいいるし。
「先生…?」
「なに?」
「携帯…」
携帯?
あぁ…番号ってことか。