恋、涙 …

そう言えば、まだ教えてなかったな…



｢…はい。｣



俺はﾎﾟｹｯﾄから携帯を取り出すと、篠原に渡した。



｢赤外線…すれば？｣



俺も素直に『番号教えて』と言えばいいのに…



思うだけなら出来るが口には出せず、俺はそのまま篠原から視線を反らした。



｢はいっ！！｣



元気な返事が聞こえ、気になって横目で見ると…



篠原は嬉しそうに俺の携帯と自分の携帯を触り、何かやっている。



｢ありがとうございました♪｣



帰って来た携帯には、ちゃんと篠原の連絡先が入っていた。



｢ﾒｰﾙしていいですか？｣



｢うん…いいよ。｣



俺だってﾒｰﾙは出来る。
そこまで歳じゃないしな…



なんて考えていると、持っていた携帯が震え出した。



ﾒｰﾙが来た。
送ってきたのは…



｢…お前なぁ、今かよ？｣



篠原だった。