恋、涙 …



謝る気はないってことが、さっきの言葉からよく伝わってくるんですけど…



「先生、冷たい…」



「悪かったな、冷徹人間で。」



ああ言えばこう言う…



「…この話はまた後で。中津が呼んでるぞ?」



先生に言われて悠哉の方を見ると、こっちに向かって手招きをしていた。



「行ってこいよ。こんな所でサボるな、マネージャー!」



「はい…」



先生に背中を押され、私は悠哉の所へ走った。






用事は、突き指をした1年生の手当てだった。



更衣室にある救急箱を取って来て、1年生の指に湿布を貼って包帯を巻く。



「大丈夫…?」



「はい…ありがとうございます。」



手当てが終わり、救急箱を戻そうと更衣室に向かう途中、ふと先生の方を見た。



すると、他の部活の子が先生に話しかけている光景を目にしてしまった。



あぁ…本当嫌だ。



でも、前に葉月さんと話してた所を見るよりかは気が楽だった。



先生の表情…



興味なさそうにして、聞かれたことに一応答えてるだけのように見えた。








< 145 / 293 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop