恋、涙 …
謝る気はないってことが、さっきの言葉からよく伝わってくるんですけど…
「先生、冷たい…」
「悪かったな、冷徹人間で。」
ああ言えばこう言う…
「…この話はまた後で。中津が呼んでるぞ?」
先生に言われて悠哉の方を見ると、こっちに向かって手招きをしていた。
「行ってこいよ。こんな所でサボるな、マネージャー!」
「はい…」
先生に背中を押され、私は悠哉の所へ走った。
用事は、突き指をした1年生の手当てだった。
更衣室にある救急箱を取って来て、1年生の指に湿布を貼って包帯を巻く。
「大丈夫…?」
「はい…ありがとうございます。」
手当てが終わり、救急箱を戻そうと更衣室に向かう途中、ふと先生の方を見た。
すると、他の部活の子が先生に話しかけている光景を目にしてしまった。
あぁ…本当嫌だ。
でも、前に葉月さんと話してた所を見るよりかは気が楽だった。
先生の表情…
興味なさそうにして、聞かれたことに一応答えてるだけのように見えた。