恋、涙 …
企 side haduki
「これで…絶対来る。」
電話を切った後、私は手足を縛られ、口にガムテープを貼った『彼女』を見た。
篠原 希
カズの…今の想い人。
私があの学校に送り込んだスパイから、全ての情報を得た。
私の所に戻らないと言ったのも、この子のせい…
カズは単純だから、私の嘘もすぐに信じるはず。
上手く行くと思った。
なのに…
この子が私の邪魔をした。
せっかく恭平の死を使って陥れようとしたのに…
「みんな。カズが来たら、その子殺っていいから。」
篠原さんの周りには、私の知り合いが数人いる。
みんな、やり手。
女の涙なんて、この人たちには通用しないよ…
「泣いても無駄よ、篠原さん。」
後悔したらいい…
カズを愛したことを─