恋、涙 …
血 side nozomi
帰ろうとしてた時、突然声がしたと思ったら、急に身体中に痛みが走って…
気付けばここにいた。
真っ暗な場所…
どこだかわからない─
でも、私1人ではなく、周りには数人の男の人と葉月さんがそこにいた。
手足は縛られて、自由に動けない。
男の人たちは、スタンガンやナイフを手にして笑っている。
私は怖くて、ただ泣くことしか出来ずにいた。
先生…助けて。
「篠原!!!!」
葉月さんが先生に電話してしばらくした後、声と共に光が目に入ってきた。
「先生!!……キャッ!!」
「葉月〜、お目当てはそいつだろぉ?もう殺っていいかぁ?」
私の周りにいた男の人の1人が、私にナイフを突き付けながら言った。
「待って。カズ…この子のこと、返して欲しい?」
葉月さんは男の人にそう声をかけて、先生に聞いた。
「…当たり前だろ!!」
先生…怒ってる?
目がいつもより鋭い。
「お前…自分が何やってるかわかってんのか?こんなことして…一体どうなるって言うんだよ?」