恋、涙 …
そうだよ…
こんなことをしたって、先生は葉月さんの所には戻らないよ…
それに、先生は人…
『モノ』じゃないんだ─
「葉月…どうすんだぁ?」
「黙ってて!…カズ、私はちゃんと理解してるわ。こんなことやっても、全くの無意味だってね。」
えっ…?
「じゃあ…なんで?」
「それはわからない…」
どういうことなの?
「葉月、とにかく…篠原を離せ。話なら、それからいくらだってしてやる。」
先生は少しずつ、私と葉月さん、それに男の人たちがいる方へ近付いてくる。
「葉月〜…?」
私にナイフを突き付けている男の人が、つまらなさそうに葉月さんに声をかける。
「…その子、離してあげて。それから…アンタたち、もう帰っていいから。」