恋、涙 …
ここは…どこだ?
見慣れない、白い天井─
「よかった…先生!!」
左隣を見ると、そこには篠原がいて、泣きながら俺の手を握っていた。
ついでと言っては何だがもう1人、中津もいた。
「お、まえ…ら、なんで?」
上手く喋れないな─
身体に痛みも走るし…
「目覚めていきなりがそれかよ?ったく…こっちは心配してやってんのに。」
「うぅっ…!っ…、」
中津は呆れた様子で、篠原は泣きっぱなし。
「まぁ…とにかく、このまま目覚めないよりはマシだったな。…杉田、お帰り。」
中津はそう言うと、医者を呼んで来ると部屋を出た。
あぁ…
ここは病院なんだ─
なんて、今更ながらに納得した。
「篠原…?」
中津が出て行った後、俺は走る痛みに耐えながら、篠原に声をかけた。