恋、涙 …
「う゛っ、…え?」
「泣く…なよ。」
俺…
死んだ訳じゃないし─
「だっ…て、先生…一昨日から…っ!ずっと、」
え…?
途切れ途切れの篠原の言葉を繋げていくと、俺は一昨日からずっと眠ったままだったらしい。
となると…
俺は3日間、意識がない状態だったということか─
道理でその間の記憶が、全くないはずだよな…
「でも…よかった。私…っ、もしずっとこのままだったらどうしようって、っ…!」
そんな大袈裟な…
「先生…」
「…ん?」
「どこにも行かないって…約束、したよね?」
あぁ、したな。
だから、俺はこうやってここに戻って来たんだ。
「心配…かけたな。本当に、…悪かった。」
俺はそう言うと、自分の為に泣いてくれている大切な人の頬にそっと触れた。