恋、涙 …
…………
沈黙─
先生は恥ずかしそうに頬を赤らめて、私から目を反らしただけだった。
「…嬉しかったです。」
何も答えない先生に、私はしばらくしてからそう言った。
「なんか…わかんないんですけど、とにかく…」
今までは、普通に『篠原』って呼ばれてたからね…
突然呼ばれて驚いたけど、やっぱり嬉しかった。
私は先生にとって、ただの生徒って存在ではない。
彼女なんだって…
やっと、実感出来た。
そんな気がする。
「………希。」
!!!
「は、はい…!?」
何を思ったのか、先生はまた私を名前で呼んだ。
「敬語…やめろ。」
え…敬語?
「2人の時は…自分が教師だってこと、忘れたい。」
先生…