恋、涙 …
嘘なんて…平気で言う。
間違ってると感じても、俺はやっぱり嘘を付く。
それが…
もう俺の当たり前だ─
「…一真。思うけど、アンタ全然教師に見えないね。」
そう言われ、俺はわざとらしく首を傾げた。
「そうか?」
「自覚あるでしょ…」
確かにな。
自分でも教師は似合わないんじゃないかと思う。
第一、昔の俺はなぜ教師を志す気になったのか?
それを思い出そうとすると、余計な記憶が蘇る。
重たい。
早く…忘れたい。
「一真、もうやめたら?こんなことしてたって…アンタの為にならないよ。」
優しさのつもりか?
「無理だよ…美久、それはお前が一番わかってんじゃねぇの?」
遊び相手の中でも、なぜかこいつとは期間が長い。
気が合うのか…
よくはわからないけど。
「嘘ばっか…わかってるよ。本当はここから抜け出したいんでしょ?」
「どうかな…?」