恋、涙 …
「あ…!」
希に引っ張られながら病院の外に出ると、雪が降っていた。
希は、この雪を俺に見せたかったのか…
俺、入院中は外に出ることが出来なかったから─
「綺麗……雪見るの、久しぶりって感じがする。」
「…俺も。」
「積もるかな…?」
そう言って、希は寒そうにマフラーを首に巻いた。
「雪、積もって欲しい?」
帰り道。
希が歩いて帰ろうと言うから、本当にそうした。
「うん!雪だるま、久しぶりに作ってみたい!!」
俺の質問に、希は小さい子供のように目を輝かせて答えた。
雪だるまって…
本当、可愛い奴だよ─
「積もるといいなぁ…」
このまま降り続けば、積もる可能性もなくはないな。
もし積もったら…
一緒に雪だるま、作るか─