恋、涙 …
次の日─
昨日はあれから、希を無事に家まで送り届けて、特に何をする訳でもない1日を過ごした。
「杉田先生!!」
そして…
俺は今、学校にいる。
「あ…はい。」
「心配しましたよ〜。体調、本当にもう大丈夫なんですか?」
職員室に入った俺に声をかけてきたのは、同じ学年担当の藤崎【フジサキ】先生。
聞いた話によると、女子生徒に結構モテるらしい。
俺に彼女がいるという噂が広まってから、ますます人気者になった…とか。
ある意味、俺は噂を広めた中津に感謝をするべきだ。
頻繁に女子生徒に声をかけられるのは、俺としても心苦しいというか…
そんな姿を見せると、希を不安にさせてしまうから─
「はい、大丈夫…です。」
「よかった…でも、あんまり無理しちゃダメですよ?」
ん〜…
男の俺にはわからないけど、女ってのはこんな笑顔に弱いものなのか?
藤崎先生の笑顔を見て、俺は少しの疑問を抱いた。