恋、涙 …
「実は別の高校で昔からの友達が教師やってるんだけど、そいつとはまた違うな…」
友達も教師なんだ…
なんかすごいな。
「そいつ、また一真先生に紹介するよ。明るい奴で、話しやすいと思うから。」
へぇ…
陽翔先生の友達、か─
「でさ……」
急に声を潜めた陽翔先生は、携帯をいじり出した。
そしてしばらくして、陽翔先生は俺に携帯を見せてきた。
【そいつの彼女、生徒なんだ】
確かにそう書かれていた。
「え…」
「秘密だけどね。まぁ…一真先生なら他の人には言わなさそうだし、その彼女、うちの生徒じゃないからいいかなって。」
他人事だと思えないのは、俺自身が同じ境遇にいるからだろう。
「一真先生…?」
「あ…あぁ、す、ごいですね。なんて言うか…器用な人?なんでしょうね。」
陽翔先生に悟られないように、俺は出来るだけ普通に返答した。