恋、涙 …
「だぁ〜!!わかった。今から宿題やるから!!」
私の冷ややかな視線に気付いてか、悠哉は大きな声で叫んだ。
「うるさい…」
「いいな、希。絶対杉田に言っといてくれよ!」
最後にそう言って私に釘を刺し、悠哉は帰って行った。
まったく…
本当にバカなんだから─
♪〜♪〜♪〜
悠哉が帰ってしばらくして、机の上に置いていた携帯が着信音を奏で始めた。
この音は…
杉田先生だ♪
すぐに通話ボタンを押す。
「も、もしもし!」
『……元気だなぁ。希、今電話大丈夫か?』
先生の着信はすぐわかるように、今一番のお気に入りの曲にしてあるんだ。
「はい!全然大丈夫です。すっごい暇なんで。」
『そっか。なら…今から外出れる?俺よくわかんないから、希に一緒に選んで欲しいんだけど。』
一緒に選ぶ?
よくわかんない?
何のことだろう…
「別にいいですけど…先生、何選ぶんですか?」
『何って…お前の誕生日プレゼントだけど。あの時約束しただろ…忘れたの?』
えっ…?